コーダーは別名、マークアップエンジニアとも呼ばれたり、会社によってはWebデザイナーと呼ぶ場合もあります。コーダーは主に、WebデザイナーがデザインしたサイトをユーザーがWeb上で閲覧できるよう作り上げる仕事です。
10年ほどこの業務に携わっていた著者が、つらかった事をまとめました。愚痴の羅列にならないよう、なぜそうなるのかと、ではどうするかまで書いています。
コーダーとは
Webコーダー、またはマークアップエンジニアは、ウェブサイトやアプリケーションのデザインをコードに変換する仕事です。HTML、CSS、JavaScriptなどの技術を使って、デザイナーが作り上げたデザインを、ユーザーがWeb上で閲覧できる形にしていきます。
呼び名が複数あるうえに、隣の職種との境界もあいまいです。
| 呼び方 | 主な担当 |
|---|---|
| コーダー / マークアップエンジニア | HTML・CSSでデザインを再現する |
| Webデザイナー | デザイン制作からコーディングまで |
| フロントエンドエンジニア | JavaScriptなどで動きや機能をつくる |
この境界のあいまいさが、あとで書く「立ち位置が理解されにくい」つらさにもつながってきます。
なぜコーダーがつらいのか
つらさの要因は多岐にわたります。技術的な課題、デザイナーとプログラマに挟まれる状況、そして時には社会的な流れの問題も影響しています。これらの要素が絡み合って、コーダーを苦しめることがあります。
大きく分けると、技術的なつらさと社会的なつらさの2つです。
技術的なつらさ
作業関連
- 技術の移り変わりが速い
- 厳しい納期
- デバッグ、ブラウザの互換性
- デザイナーとプログラマに挟まれ、幅広い知識がないと連携が取りづらい
毎年のように新しい技術ができ、ブラウザのバージョンアップが起こるなど、覚える事がどんどん増えていきます。今まで使用していたツールが急にサービス終了なども起こりえます。
また、上流工程の遅れやミスのシワ寄せが来ることもあります。デザインの段階での内容のミスなども納品の際に言われ、ミス自体を押し付けられることもあります。
デザインは他社、コーディングは自社といった分担のときは、責任の所在に特に気をつける必要があります。デザイン段階の不備をコーディングのミスとして扱われないよう、受け取った時点で気づいた点は記録に残しておくと後で守りになります。
デザイナー関連
- マージンやフォントサイズのルールが決められていない状態で共有される
- レスポンシブが考慮されているデザインになっていない
- レイヤー分けがされていないデータが共有される
デザイナーも様々で、中にはコーディングを考慮してくれない方もいます。同じレベルの要素なのに場所によってサイズやマージンがバラバラ。レスポンシブが考慮されておらず、デザイナーに戻したりコーダーが調整を行う必要が出る場合もあります。
個人的に、デザイナーの方にデザインについて文句を言うのはデザインを作ってくれた方に失礼だと思いますが、機能面に関してはコーダーからの要望を少しくらい伝えてもバチは当たらないと思います。
社会的なつらさ
年収が上がりにくい
転職会議で公開されている平均給与ですと、エンジニア職の中ではかなり低い方だと思います。
https://jobtalk.jp/salary_matome/jobs/107
デザインを実現する下請け扱いをされることがあり、最近ではノーコードでWebサイトを作れたり、独学で参入してくる人、副業で仕事をする方が増えたため競争が起こり、仕事単価を安くされたりすることも多々あります。
参入しやすくライバルが多い
- ノーコードツールの登場で、知識がなくてもWebサイトの制作が容易になった
- 独学でも参入しやすく、ライバルが多い
- スキル不足を感じやすい
HTMLとCSSは学習の入り口としてわかりやすいぶん、入ってくる人も多い領域です。裏を返せば「代わりがいる」と見られやすく、それが単価にも跳ね返ってきます。
立ち位置が理解されにくい
コーダーはフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアからはエンジニアと認められず、Webデザイナーにまとめられ扱われ、デザイン作業をできて当たり前と言われることもあります。
冒頭で書いた呼び名のあいまいさがそのまま効いてくる部分で、社内でも社外でも、何をどこまでやる人なのかが伝わりにくいのはなかなかしんどいところです。
ではどうするか
つらさを並べただけで終わってもしょうがないので、著者が有効だと感じたものを挙げておきます。
- JavaScriptを本格的に扱えるようにして、フロントエンド寄りに広げる
- デザインまで担当できるようにして、Webデザイナー寄りに広げる
- ディレクションや公開後の運用まで引き受けて、任される範囲を広げる
- 速さと品質で「この人に頼むと事故らない」状態をつくる
どれもコーディングの土台があるからこそ伸ばせる方向です。上の3つは範囲を広げる話で、最後の1つだけは毛色が違いますが、実務では一番効きます。手戻りが起きない相手というのは、単価の話をするときに強いです。
コーディングそのものは、決して価値の低い仕事ではありません。つらさの多くは技術ではなく、担当範囲が伝わっていないことから来ています。何をどこまでやっているのかを言語化しておくだけでも、扱われ方は変わってきます。
よくある質問
コーダーとフロントエンドエンジニアの違いは何ですか?
おおまかには、HTMLとCSSでデザインを再現するのがコーダー、JavaScriptなどで動きや機能をつくるのがフロントエンドエンジニアです。ただし境界は会社によって変わり、コーダーが簡単なJavaScriptまで担当することも珍しくありません。求人を見るときは職種名ではなく、業務内容の記載で判断したほうが確実です。
ノーコードツールやAIでコーダーの仕事はなくなりますか?
単純なページを作るだけの仕事は減っていくと感じています。一方で、既存サイトの改修、複雑な要件への対応、生成されたコードの検証や修正といった仕事は残ります。作る速さそのものより、要件を読み取って正しく形にできるかが問われる方向に動いているという印象です。
未経験からコーダーになれますか?
なれます。HTMLとCSSは学習の入り口としてわかりやすく、独学で参入する人も多い領域です。ただし本文で書いたとおり、参入しやすいぶん競争も激しくなっています。入った後に何を足していくかまで考えておいたほうが、その後が楽になります。
コーダーとして年収を上げるにはどうすればいいですか?
コーディングだけで単価を上げるのは難しいのが実際のところです。JavaScriptを深めてフロントエンド寄りに進む、デザインまで引き受ける、ディレクションや運用まで担当するなど、担当できる範囲を広げるほうが効きます。加えて、手戻りを出さない仕事の進め方そのものが評価につながります。
最後に
Webコーダー、マークアップエンジニアが抱える辛さは、その仕事の特殊性や多岐にわたる要因からくるものです。
他のエンジニアに負けない強みを持つか、幅広い業務をこなせるようになるなど、キャリアアップを目指し生き抜きましょう。
